ヘルペス(口唇ヘルペス)の市販薬|成分・効果・注意点と医療機関を受診すべき症状について

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ヘルペスとは

「ヘルペス」とは、ヘルペスウイルスによる感染症です。ヘルペスウイルスにはいくつか種類がありますが、症状のあらわれ方や部位によって「口唇ヘルペス」「性器ヘルペス」などと呼び分けられています。
ヘルペスに感染すると、症状が落ち着いてもウイルスが神経節の中に残っているため、免疫力が落ちたときなどに再発することがあります。

» ヘルペスの詳細や治療についてはこちら

ヘルペスの治療

ヘルペスは、症状が軽いうちに適切な治療を受ければ悪化を防ぐことが可能です。医療機関では、症状や部位に応じて外用薬や内服薬を処方します。重症のヘルペスや免疫不全の基礎疾患などがある場合は、点滴による治療が必要になることもあります。再発を繰り返す場合は、初期症状があらわれた段階ですぐに治療が開始できるようにあらかじめ内服の抗ウイルス薬(ファムビル、アメナリーフ)を処方することもあります。

» ヘルペスの詳細や治療についてはこちら

» 単純ヘルペス治療薬「ファムビル(ファムシクロビル)」PITの詳細についてはこちら

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ヘルペスの市販薬

ヘルペスに適応のある内服薬は市販されていませんが、外用薬であれば薬剤師のいるドラッグストアなどで購入できます。ただ、市販の外用薬で治療できるのは「口唇ヘルペスの再発」のみで、使用できるのは過去に医師の診断・治療を受けた方に限られています。購入にあたって疑問点や不安な点がある場合は、販売店の薬剤師に相談しましょう。

  • アラセナSシリーズ(サトウ製薬)

有効成分:ビダラビン(抗ウイルス成分)
剤型:軟膏・クリーム
塗布回数:1日1~4回

  • アクチビア軟膏(グラクソ・スミスクライン)

有効成分:アシクロビル
剤型:軟膏
塗布回数:1日3~5回

  • ヘルペシアクリーム(大正製薬)

有効成分:アシクロビル
剤型:クリーム
塗布回数:1日3~5回

市販の抗ヘルペス薬を使う際のポイント

市販の抗ヘルペス薬は、以下の点を意識するとより高い効果が期待できます。

唇に違和感を覚えたらすぐに使い始める

市販の抗ヘルペス薬は、唇やその周りに違和感(ピリピリ、チクチクする感じなど)が生じたらすぐに使い始めてください。口唇ヘルペスは、再発の予兆(唇などの違和感)がみられる時期にウイルスが急激に増殖しています。この時期に外用薬を塗り始めれば、ウイルスの増殖を抑えて症状の悪化を防ぎやすくなります。

患部の表面に十分な量を塗布する

市販の抗ヘルペス外用薬は、鏡を見て症状のあらわれている箇所にまんべんなく塗布してください。塗り忘れている箇所があると、十分な効果が期待できなくなります。
薬を塗る際は、患部を強くこすったりせず、やさしく乗せるようにつけていきましょう。患部をしっかり保護したい場合は軟膏タイプを、薬のべたつきやテカリが気になる場合はクリームタイプを選ぶのがおすすめです。

患部が浸潤している間は使い続ける

患部に水ぶくれやただれなどがあり、浸潤(湿った状態)している間はウイルスが存在しています。かさぶたができて、患部が乾燥するまでは感染が広がる可能性がありますので、患部が浸潤している間は塗り薬を使い続けましょう。
塗布期間の目安は10日間程度です。ただ、症状の状態が良くなるまでの期間には個人差があるため、患部が完全に乾燥したら薬の使用をやめても構いません。

市販の抗ヘルペス薬を使う際の注意点

初感染の場合は使わない

市販の抗ヘルペス外用薬は、いずれも「口唇ヘルペスの再発」に適応が限定されています。初感染の場合は症状がひどくなるケースも少なくないため、口唇ヘルペスが疑われる場合であっても市販薬は使用せず、必ず医師の診察・治療を受けてください。

用法用量を守る

市販の抗ヘルペス外用薬は、1日数回塗布する必要があります。塗る時間は特に決まっていませんが、食後や寝る前など決まった時間に塗るようにすると塗り忘れが少なくなります。
なお、薬を塗ったあとに食事などをすると、薬が剥がれてしまい十分な効果が得られなくなるおそれがあります。そのため、できるだけ食後や就寝直前などしばらく飲食しないタイミングで塗布するのがおすすめです。

市販薬と医療用医薬品は必ずしも同じものではない

市販薬のなかには医療用医薬品とよく似た商品名がつけられているものもありますが、市販薬と医療用医薬品は必ずしも同じものではありません。特に市販の抗ヘルペス外用薬は「口唇ヘルペスの再発」に適応が限定されているため、医療用医薬品と同じように使うことはできません。例えば、市販の抗ウイルス外用薬を性器や目に使用することは厳禁です。誤った使い方をすると、症状が改善しないだけでなく、重篤な副作用が発生する可能性も否定できません。したがって、市販の抗ヘルペス外用薬を口唇ヘルペスの再発以外に使うのは絶対に避けてください。

薬剤耐性ウイルスが発現するおそれがある

市販の抗ウイルス外用薬を頻繁に使用すると、ウイルスが耐性を獲得して十分な効果が得られなくなるおそれがあります。実際、アメリカでは市販の抗ウイルス外用薬の使用で耐性ウイルスの発現が増加するおそれがあるとして、積極的な使用を推奨していません。
耐性ウイルスの発現を抑えるためにも市販薬での治療は最小限にとどめ、治りが悪い場合・再発を繰り返す場合は医療機関を受診して内服薬を処方してもらうようにしましょう。

副作用に関する注意

市販の抗ヘルペス外用薬を使用してかぶれや症状の悪化がみられる場合などは、すぐに使用をやめて医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。自己判断でかぶれの薬などを併用すると症状が悪化することもあるため、おすすめできません。

こんな場合は早めに受診を……

市販の抗ヘルペス外用薬の使用で副作用が生じた場合、あるいは、10日間ほど使用してもヘルペスの症状が良くならない場合などは、医療機関を受診して適切な治療を受けてください。
口唇以外のヘルペスがある場合も医療機関の受診が必要です。点滴や内服の抗ウイルス薬の処方など医療機関でなければできない治療もあるため、気になる症状がある場合は早めに受診しましょう。

ヘルペスのオンライン診療

ヘルペスのオンライン診療がおすすめな理由

ヘルペスは再発を繰り返すことが多く、また、症状があらわれ始めたら速やかな治療が必要な疾患でもあります。ですが、「仕事や子育てで受診が難しい」「近くにかかりつけの皮膚科がない」などの理由でタイミングよく受診できず、症状が悪化してしまう方も少なくありません。しかし、オンライン診療を利用すればタイミングを逃さず治療を開始することが可能です。
また、頻繁にヘルペスの再発に悩まされている場合は「PIT(Patient Initiated Therapy)」の適応となる場合もありますが、こちらもオンライン診療で対応可能です。
その他、再発を繰り返す性器ヘルペスについては、抗ウイルス薬を最大1年間毎日服用するという治療もありますが、オンライン診療なら継続的に医師のサポートを受けることができます。
このように、オンライン診療はヘルペスの治療にも大変有用なものといえます。

オンライン診療対応可能

当院では、ヘルペスのオンライン診療にも対応しています。症状によっては薬剤を処方し、お送りすることも可能です(送料無料)。繰り返すヘルペスでお悩みの方・受診が難しい方はぜひご活用ください。

下記のいずれかのボタンからお申込みください。

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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。