「ボチシート(貼付剤型亜鉛華軟膏)」

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ボチシートとは?

ボチシートの写真

ボチシート(一般名:貼付剤型亜鉛華軟膏)は、酸化亜鉛を20%含む亜鉛華軟膏の貼付剤です。酸化亜鉛は、皮膚のたんぱく質と結合して被膜を形成し、収れん・消炎・保護、ならびに緩和な防腐作用をあらわす成分です。また、浸出液の吸収および分泌抑制により、創面や潰瘍面などを乾燥させる効果もあることから、外傷や皮膚疾患などの消炎や保護、びらん・潰瘍・湿潤面の改善に用いられます。
なお、「ボチシート」という名称は、亜鉛華軟膏の俗称である「ボチ」に由来します。

ボチシートの特徴

従来、亜鉛華軟膏はガーゼなどの布上に2mm~3mmの厚さに塗り延ばして処置などに使用されていました。そこで、この調製に要する時間と労力を軽減し、より使用しやすくする目的で開発されたのがボチシートです。
ボチシートは、分割線入りフィルム・プラスチックネット・軟膏・リント布からなる四層構造になっています。皮膚に直接亜鉛華軟膏を当てるのではなく、ネットを挟んでいるため、シートを剥がす際に亜鉛華軟膏が皮膚に残りにくくなっています。
また、製剤化によって皮膚の軟化性および皮膚密着性が向上し、痂皮の軟化や肉芽形成・表皮形成が促進されるため、より高い皮膚疾患改善効果が期待できます。

ボチシートの効能効果・用法用量

ボチシートは、下記の皮膚疾患の収れん・消炎・保護・緩和な防腐に適応があります。
外傷熱傷凍傷湿疹や皮膚炎、肛門そう痒症、白癬、面皰(ニキビの初期症状)、せつ(いわゆる「おでき」)など
また、その他の皮膚疾患によるびらん・潰瘍・湿潤面にも使用できます。
通常は、患部の大きさに合わせてシートを切り、症状に応じて1日1〜数回患部に貼付します。

ボチシートの使用方法および注意点

ボチシートの使用方法

ボチシートを取り出す際は、袋のおもて面を上にして開封し、トレイごと取り出してください。そして、フィルム上の分割線に沿ってシートを切り取ってください。フィルム上の分割線にしたがって切り離した場合、1辺が約5cmの正方形になります。
次に、角に約1cm切り込みを入れてフィルムだけをゆっくりと剥がし、患部に貼付してください。ただし、貼りかえる際に患部に軟膏が残っている場合は、残っている薬剤をやさしく取り除いてから新しいシートを貼ってください。
貼付中にシートが剥がれてくる場合は、包帯やテープなどで固定すると剥がれにくくなります。
なお、患部の範囲が広い場合は、切り離したシートをモザイク状に貼ってください。ある程度小さいシートを複数貼るほうが剥がれにくく、処置も容易になります。

ボチシートの保管に関する注意点

開封後のボチシートは、トレイにのせて袋にもどし、開封口を折り返してから涼しい場所で保管してください。温度の高い場所で保管すると、軟膏部分が軟らかくなり過ぎたりべたついたりすることがあります。
また、軟膏部分が衣類や皮革、装身具、家具などに付着すると変色・変質をまねくことがあるため、ご注意ください。

ボチシートの副作用について

ボチシートの使用にあたり、特に重篤な副作用は報告されていません。
ただ、頻度は明らかになっていませんが、過敏症状や発疹、刺激感などの副作用が生じることがあります。
これらの症状があらわれた場合は、ボチシートの使用を中止しなければならないこともあるため、気になる症状がある場合は早めにご相談ください。

ボチシートを外用する上での注意点

感染に対する注意

ボチシートに感染防御作用はありません。そのため、使用前には貼付面を消毒・清拭してください。
万が一、感染があらわれた場合は抗生剤の投与などの処置が必要になるため、「滲出液の色やニオイが変わった」などの変化に気づいた場合は速やかに受診してください。

滲出液に対する注意

ボチシートの有効成分である亜鉛華軟膏には水分を吸収する性質がありますが、基剤が油性なので大量の滲出液がある部分の使用には向いていません。
一方で、滲出液がほとんどない部分に使用すると、乾燥が進み過ぎてかゆみなどが生じるおそれがあります。
貼付部位については診察時にご説明しますので、自己判断で貼付範囲を広げないようにしてください。なお、滲出液の量や患部の乾燥状態などに変化があった場合は、早めにご相談ください。

日常生活における注意点

他の治療薬との併用に関して

添付文書上、ボチシートとの併用が禁忌とされている薬剤はありません。
ただし、他の外用薬を使用している場合は、重層使用や使い分けが必要になることもあります。
そのため、併用薬がある場合は市販薬も含めてすべてお伝えください。

特定の患者さまへの使用に関して

妊娠中または授乳中の方、お子さま、ご高齢の方への使用に関して

ボチシートを患部の症状に応じて適切に使う限りにおいては、特に問題は生じないと考えられます。ただし、副作用である過敏症状や発疹、刺激感などがあらわれる可能性は否定できません。
したがって、使用にあたっては必ず主治医の指示に従い、副作用が疑われる症状があらわれたら速やかに受診して適切な処置を受けてください。

ボチシートの患者負担・薬価について

ボチシートの薬価は、1gあたり3.44円です。ボチシート1枚あたりの亜鉛華軟膏の量は30gなので、1枚で103.2円、1袋(3枚入り)で309.6円になります
なお、患者さまにご負担いただくのは保険割合に応じた金額になります。例えば、3割負担の患者さまがボチシートを1袋処方された場合、ご負担金額は92.88円です(薬剤費のみの計算です)。

よくあるご質問

ボチシートと同じ成分の市販薬はありますか?

ボチシートの有効成分である亜鉛華軟膏は、第3類医薬品の「日本薬局方 亜鉛華軟膏」として市販されています。ただし、市販の亜鉛華軟膏の適応はボチシートよりも限定されています。また、シート状にはなっていないため、使用の際にはガーゼなどに塗り広げなければなりません。
したがって、市販の亜鉛華軟膏をボチシートと同じように使用することはできません。
万が一、市販薬を5〜6日間使用しても症状がよくならない場合や、かえって症状が悪化する場合は使用を中止し、速やかに受診して適切な治療を受けてください。

ボチシートを切ったハサミに軟膏がついてしまいました。なかなか落ちないのですが、どうすればきれいに落とせますか?

ボチシートを切るときにハサミについた亜鉛華軟膏は、オリブ油などを馴染ませた布で拭ったあと、中性洗剤などで洗い流すときれいになります。
なお、シートの汚染を防ぐため、ハサミを使用する前にはアルコールを含ませたティッシュなどで刃の部分をきれいに拭き、乾燥させてからシートを切ってください。

ボチシートを剥がしたら、軟膏が皮膚に残っていました。皮膚を傷付けず上手に落とす方法を教えてください。

ボチシートの有効成分である亜鉛華軟膏の基剤は油性なので、シャワーだけではうまく落ちません。皮膚に残ったボチシートの成分(亜鉛華軟膏)を落とす際は、オリブ油を馴染ませた布などで患部をやさしくふき取ったあと、よく泡立てた石けんで洗い流してください。ただし、ゴシゴシこするのはNGです。

ボチシートを貼り忘れた場合はどうすればいいですか?

ボチシートを貼り忘れた場合は、気が付いたときに新しいシートを貼ってください。
ただし、次に使う時間が近い場合は1回分を飛ばし、その後は指示通りに貼りかえてください。

 

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