- フシジンレオと同じ成分の市販薬はありますか?
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フシジンレオと同じ成分の市販薬はありません。ただし、フシジンレオと同じように抗菌成分が配合されている外用薬はドラッグストアなどでも購入できます。
もっとも、市販の外用抗菌薬はフシジンレオと適応が異なります。対象となる菌種も同じではありません。また、誤った使い方をすると耐性菌が発生するおそれもあります。したがって、市販薬をフシジンレオの代わりに使用するのはおすすめできません。
- フシジンレオは、ステロイド骨格を有する特異な抗生物質なんですよね。ということは、アトピーなどの治療に使う「ステロイド」の仲間ということですか。
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フシジンレオの成分であるフシジン酸ナトリウムはステロイド骨格を有する抗生物質ですが、いわゆる「ステロイド(副腎皮質ホルモン)」ではありません。
そもそも、広義の「ステロイド」とは、ステロイド骨格を有する化合物の総称です。自然界に広く存在する成分で、コレステロールや胆汁酸、ビタミンDなども広義のステロイドに含まれます。
一方、狭義の「ステロイド」は、副腎皮質から分泌されるステロイドホルモン(ステロイド骨格を有するホルモン)の総称です。そして、単に「ステロイド」という場合は、狭義のステロイドを指します。
フシジンレオに含まれるフシジン酸ナトリウムは、広義のステロイドには含まれるものの、狭義のステロイドには該当しません。一般的なステロイド外用薬のような抗炎症作用や免疫抑制作用はありませんので、ご安心ください。
- フシジンレオには、たんぱく合成阻害作用があると聞きました。そんな薬を皮膚に塗っても大丈夫なんですか?
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フシジンレオは、黄色ブドウ球菌などの細菌の成長に必要なたんぱく質の合成を阻害して抗菌作用を示します。もう少し詳しくいうと、リボソーム(細胞質内にあり、たんぱく質合成に関与する小さな粒子)上におけるアミノ酸のたんぱく質への転換に抑制的に作用して、細菌の増殖を阻止します。
人間の皮膚に含まれるたんぱく質に作用するわけではないので、直接塗布しても問題ありません。
- 兄弟でとびひになり、それぞれにフシジンレオが処方されました。面倒なので、同じチューブを使ってもいいですか。
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兄弟でフシジンレオを使用する場合であっても、チューブは分けて使ってください。たとえ兄弟でも、原因菌や皮膚についている雑菌が異なる可能性があります。感染の拡大を防ぐためにも、別々のチューブから薬をとって塗布してください。
なお、どうしても同じチューブを使用したい場合は、1人目にフシジンレオを塗ったあとしっかり手を洗い、2人目に塗ってあげてください。
- フシジンレオは水虫に効きますか?
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フシジンレオは、水虫(白癬)には効果が期待できません。
フシジンレオの効果が期待できるのは、ブドウ球菌属による細菌感染症です。カンジダ症や白癬などの真菌症に対しては、まったく効果が期待できません。
したがって、水虫をはじめとした真菌症にはフシジンレオを使用しないでください。また、原因が明らかでない皮膚症状に対しても、自己判断でフシジンレオを塗るのは避けてください。誤った使い方をすると、薬の効きにくい耐性菌が発生するリスクが高まります。
- フシジンレオを目に使うことはできますか?
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フシジンレオは、眼科用の製剤ではありません。そのため、目に使用することはできません。
誤って目に使ってしまった場合、あるいは目に入ってしまった場合は、すぐに水やぬるま湯などで洗い流してください。洗い流したあとに目に違和感などが残る場合は、速やかに眼科を受診して医師の診察を受けてください。
- フシジンレオを塗り忘れた場合はどうすればいいですか?
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塗り忘れた場合は、気が付いたときに1回分を塗布してください。ただし、次の塗布時間が近い場合は、忘れた分を飛ばして次の塗布時間に1回分を塗ってください。その際、塗り忘れ分をあわせて2回分塗る必要はありません。通常の1回分を患部に塗ってください。