アトピー性皮膚炎治療薬「オルミエント(バリシチニブ)」JAK阻害薬

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オルミエント(バリシチニブ)の効果について

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オルミエント錠(バリシチニブ)は、1日1回、1錠を服用していただく、アトピー性皮膚炎治療のための飲み薬です。
アトピー性皮膚炎における炎症をコントロールし、服用開始早期からかゆみや湿疹といった自覚症状の改善が期待できます。

オルミエントの特徴

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  • オルミエントはこれまでの飲み薬とは異なる作用を持つアトピー性皮膚炎の治療薬です。
  • アトピー性皮膚炎には、IL-4(インターロイキン4)、IL-13、IL-31など多くの*サイトカインが関与しています。
    *サイトカイン:細胞から細胞へ情報を伝達する物質で、本来は体を正常に機能させるために必要なタンパク質です。なんらかの原因で過剰に増えてしまうと、炎症やアレルギー症状などを引き起こします。
  • オルミエントは、JAK(ジャック)阻害薬と呼ばれる飲み薬で、炎症の信号を伝える経路のひとつである「JAK-STAT(ジャック・スタット)経路」をブロックすることで、サイトカインが受容体にくっついても炎症やかゆみを引き起こす信号が細胞核に伝わらないようにし、アトピー性皮膚炎の症状に関与する複数のサイトカインの働きを抑えることで、かゆみや皮膚の炎症を抑えます。
  • オルミエントは1日1回、1錠の飲み薬です。服薬時間の制限はありませんので、1日の中で生活スタイルに合った時間帯に飲むことができます。
  • 通常は4mg錠を1日1回1錠を毎日服用します。患者さんの状態によっては、半分量の2mg錠が処方される場合もあります。
  • オルミエントは、関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)を効能又は効果として、欧州連合(EU)、米国を含む72の国又は地域で承認され、発売しています(2020年11月時点)

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適応患者さんについて

オルミエントは、今までの治療では十分な効果が得られない成人アトピー性皮膚炎患者さんにご使用いただけます。
※具体的にはステロイド外用剤・プロトピック軟膏などの抗炎症外用剤を一定期間投与しても十分な効果が得られない15歳以上のアトピー性皮膚炎の方が対象となります。
※原則として、オルミエント投与開始後も状態に応じて抗炎症外用剤を併用していただきます。
※オルミエント投与時も保湿外用剤を継続使用していただきます。

患者負担・費用の目安について(薬剤費のみ*)

オルミエント® の薬剤費 4週間(約1カ月)
4mgの場合 薬剤費 147,560円
70歳未満(3割負担) 39,814円
70-74歳未満(2割負担) 26,542円
75歳未満(1割負担) 13,271円
オルミエント® の薬剤費 4週間(約1カ月)
2mgの場合 薬剤費 75,880円
70歳未満(3割負担) 22,760円
70-74歳未満(2割負担) 15,180円
75歳未満(1割負担) 7,590円

※2020年12月時点の情報に基づいています。
*実際に窓口で支払う費用は、検査日や治療費、その他の薬剤費、ほかの病気のための治療費や薬剤費などを合計した金額になります。

医療費助成制度について

オルミエントを投与される患者さんが利用できる可能性がある主な助成制度は以下の通りです。

高額療養費制度

医療機関や薬局の窓口で支払った1か月の医療費が、ある一定額を超えた場合にその超えた分の金額が支給される制度です。
■世帯合算:同一の医療保険に加入する家族は、自己負担額を合算して申請する事ができます。
■多数回該当:直近の12か月間に、同じ健康保険に加入している家族間(同一世帯)で、高額療養費の支給を3回以上受けている場合、4回目から自己負担限度額がさらに低くなります。
■申請について:高額療養費の支給(払い戻し)を受けるには、事前申請と事後申請の2つの方法があります。
事前申請(支給):事前の手続きで「限度額適用認定証」の交付を受けることにより、医療機関の窓口での支払いを自己負担限度額以内にとどめることができます。
事後申請(払い戻し):受診時に医療機関の窓口に「限度額適用認定証」の提示ができなかった場合は、一時的に、医療機関の窓口で全額を支払った後、加入している健康保険に規定の手続きをすることで、払い戻しが受けられます。

医療費控除

1年間にかかった医療費の総額が10万円を超えた場合、確定申告の際の手続きを行うことで、税金の一部が減額される制度です。

付加給付

企業などの健康保険組合や共済組合によって、独自の給付制度を設けている場合があります。一定額を超えた分が付加金として給付されます。

オルミエントを服用している患者様向けのサポート(無償)について

患者さんに安心して治療をしていただくために、当院でのサポート以外にもオルミエントの服用や日常生活に関する疑問、不安の解消をお手伝いするサポートプログラム「オルミエント患者さんサポートプログラム アトピーケア&サポート」もご用意しています。
医療費の助成制度に関する相談や、副作用症状が発現した際など当院の診療時間外でもサポートすることができます。なおサービスの利用には一切お金はかかりません。オルミエントの治療中はいつでも始めることができ、またやめることができます。
サポートスタッフは疾患や治療に関する質問だけではなく、食生活、生活スタイル、医療助成制度などに関する質問にも対応できるよう、オルミエントを販売する日本イーライリリー株式会社から十分にトレーニングを受けたスタッフです。個人情報は厳密に管理され、このプログラム以外の目的では一切使用されません。
365日、9時から21時の間、LINEのメッセージ機能またはフリーダイヤル(0120-526-044)を用いてサポートいたしますので、是非ご活用ください。

» アトピーケア&サポートの登録はこちら

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当院ではデュピクセントも取り扱っておりますが、オルミエントの特徴は、1日1回の内服でいいこと、症状によって量を増減したり、中止、再開をしたりできることがメリットとなります。ただし、デュピクセントと異なり、治療開始前に、感染症などを含めた血液検査、胸部x線検査などが必要となります。

» デュピクセントの詳細はこちら

JAK阻害薬オルミエントの「新型コロナによる肺炎」の効能追加について

厚生労働省は4月23日、オルミエントを第3の新型コロナ治療薬として正式承認しました。このニュースはオルミエントの取り扱いがある当院としても驚きました。

日本イーライリリーからのご案内を詳しく見てみると、アトピー性皮膚炎の治療とは大きく違い、COVID-19感染による適応は「酸素吸入を要する患者に限る」とされています。
また注意事項として「酸素吸入、人工呼吸管理又は体外式膜型人工肺(ECMO)導入を要する患者を対象に入院下で投与を行うこと」との記載があります。
つまり新型コロナウイルス感染症でも重症で集中治療室など入院し酸素吸入をしている患者さまの追加のお薬ということになります。当院でも問い合わせをいただいたため念のため記載いたします。

よくあるご質問

どのような方が対象になりますか?
オルミエントは、従来の治療では十分な効果が得られない成人アトピー性皮膚炎患者さんにご使用いただけます。デュピクセントとの併用はできません。
どのくらいで効果が期待できるのでしょうか?
臨床試験の結果によると、投与開始翌日には有意なかゆみの改善が認められています。
症状がおさまったら飲むのをやめてよいですか?
薬の作用で炎症を抑えているため、急にやめると症状が悪化する可能性があります。自己判断で服用中止や減量は行わずご相談ください。
投与前の検査は何が必要ですか?
血液検査と胸部X線検査(レントゲン)が必要です。血液検査は当院で行います。胸部X線検査は半年以内の健康診断の結果がある方はお持ちください。お持ちでない方は当院ビル3階の内科医院にて撮影が可能です。
服用する上で制限はありますか?
食事の影響を受けないので食事に関係なく服用できます。また服薬時間の制限はありませんので1日の中でご自分の生活スタイルにあった時間帯に飲むことができます。ただし飲み忘れを防ぐために1日1回同じ時間に飲むようにすることをおすすめします。
服用し忘れたときはどうしたら良いのでしょうか?
気がついたときにできるだけ早く1回分を服用してください。その後、通常の通り1日1回服用してください。丸一日服用を忘れてしまった場合は、飲み忘れた分は飛ばして、翌日のいつもの時間に1回だけ服用してください。同日に2回分をまとめて服用しないでください。
オルミエントを投与していても新型コロナワクチンを接種して問題ないのでしょうか?
オルミエント投与中の生ワクチン接種は行えませんが、不活化ワクチンの併用投与は可能です。
NIH(米国国立衛生研究所)および DHHS (米国保健社会福祉省)におけるワクチンの分類では、新型コロナウイルスワクチンは非生ワクチンとして分類されており、現時点ではオルミエントの投与は可能と考えられます。