炎症後色素沈着

  日祝
9:00~13:00 - -
15:30~18:30 - - -

☆休診日: 水曜、日曜、祝日
予約なしでも受診可能です

  • 巣鴨千石皮ふ科 ネット予約
  • ネット予約の手順
  • キーワード(症状、薬品名、治療、医院について等)をご入力ください。

FacebookTwitterLine

※クリックで読みたい箇所へ移動します。

炎症後色素沈着とは?

イメージ
画像提供:第一三共ヘルスケア
くすりと健康の情報局

炎症後色素沈着とは、皮膚にやけどや外傷ができるなどダメージを受けた際、強い炎症が起きたあと同じ部位に灰褐色、茶褐色、紫褐色のシミのような色素沈着ができるというものです。

炎症後色素沈着が起こるきっかけとして、怪我、ニキビや湿疹、虫刺され、毛抜きやかみそり、ヘアアイロンでのやけど、老人性しみレーザー治療痕も多く報告されています。また、色素沈着が起こりやすい原因には、患部をこすったり触ったりしすぎたことによる「摩擦」が挙げられています。炎症が一時的かつ浅いものであっても、日常的な癖でその部位を頻繁に触ったり、衣類などでこすれたりしていると、慢性的に続く炎症になってしまいます。

色素沈着そのものが健康をおびやかすことはありませんが、美容的な側面から悩む方が多いです。通常の人の肌は、20代の若い方であれば約28日間、30代は約40日間、40代は約55日間で新陳代謝(ターンオーバー)が行われているので、表皮の色素沈着も徐々に目立たなくなっていくのが大半です。半年以内、長くても1年以内には自然消失することが一般的ですが、色素沈着の原因や患者の肌の状態などによっては慢性のケースや、消えるまで数週間~数年かかるケースもあります。

炎症後色素沈着の原因

色素沈着の誘因にはさまざまなものがあります。

  • 肌が炎症を起こした:湿疹、ニキビ、慢性皮膚炎、乾癬、全身性エリテマトーデス
  • 表皮に傷ができた:怪我、手術痕、Qスイッチルビーレーザーの照射、強いピーリング
  • 薬物への反応:殺菌剤、寄生虫の駆除剤、抗うつ剤、ホルモン治療、糖尿病治療薬
  • 化学物質への反応:金、銀、ヒ素、ベンゾフェノン
  • 光アレルギー反応:香水やエッセンシャルオイル

こうした原因で表皮が炎症を起こした後、炎症部位に浸潤した白血球、マクロファージや肥満細胞からは、サイトカイン、ケモカイン、プロスタノイド、活性酸素といった「炎症メディエーター」と呼ばれる生理活性物質が放出されます。

炎症メディエーターは、白血球の遊走・浸潤、血管拡張、血管透過性亢進、組織破壊などの作用を持っています。これらの物質が色素細胞(メラノサイト)を活発化させ、メラニンが大量生成されると考えられています。

また、肌が本来持っている新陳代謝のスピードがメラニンの生成スピードに追い付かず、表皮にメラニンがどんどんたまってしまい、シミのような色素沈着が発生するとされています。

炎症後色素沈着の診断

炎症後色素沈着はそのまま自然消失することが多いのですが、不安を感じていたり、治療したいと希望する場合は皮膚科での診断を受けると良いでしょう。

また、炎症後色素沈着は灰褐色、茶褐色、紫褐色のシミですが、他の疾患でもこうしたシミはできるので、併発していることも珍しくありません。色素沈着の誘因となっているものは何かを診断によって特定できれば、適切な治療を施せる可能性が高くなるでしょう。

炎症後色素沈着セルフチェック

該当する項目を選んでください。

色素沈着部分について該当する項目がある場合は、炎症後色素沈着の可能性があります。
通常、炎症後色素沈着は徐々に薄くなっていきますが、皮膚科などを受診すれば症状に応じた治療を受けられることもあります。
気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。

炎症後色素沈着の治療

炎症後色素沈着を治療するには、①炎症が収まること、②色素細胞の活性化を抑制すること、③肌の新陳代謝を促進することの3点を行うことが大切です。

炎症部位を日常的に触るなどして摩擦が起きている状態が慢性化していると、治療をしたところで早期の治癒は望めません。①のように、炎症が収まること=患部への刺激を避けることという点は患者ご本人が気をつけていただく必要があります

②色素細胞の活性化を抑えるには、ハイドロキノンクリームトラネキサム酸などの外用薬を塗ってメラニン色素の産生を抑制する方法があります。ハイドロキノンは色素細胞の持つ酵素チロシンキナーゼの働きを押さえ、シミを薄くする効果が期待できます。このほか、ビタミンCの内服薬を飲むことでも効果が期待できます。

また、それと合わせて③メラニン色素の排出を促すために、トレチノインなどの外用薬を使う、ケミカルピーリングを行って肌表面の角質を溶かす、フォトシルクプラスなどの光治療や医療用レーザー治療を用いて、肌の色素代謝を促す方法が挙げられます。

トレチノインはメラニン色素を表皮へ押し出す効果があるとされる外用薬ですが、日本ではまだ承認されていません。ケミカルピーリングは薬品を使って表皮をはがし、ターンオーバーを促進するもので、繰り返し行うことでメラニン色素が古い表皮と一緒にはがれ落ちていき、シミが薄くなっていきます。また、医療用レーザー治療は、弱いパワーでムラなく照射できる専用マシンを使い、蓄積したメラニンを徐々に減らしていく効果があります。ダウンタイムもほぼありません。

これらは色素沈着の治療法として確立していますが、それぞれ肌に刺激を与えるため、場合によっては色素沈着が悪化する恐れがあることを事前に理解しておきましょう。また、治療した肌は敏感になっているので、医師の指示を受けながら保湿をすることも大事です。

その他の治療

炎症性色素沈着もホームケアでより早く軽快に向かわせることができます。

まず、市販薬にもビタミンC内服薬やハイドロキノンクリームは販売しています。これらは医療機関よりも成分や配合量が抑えられていることが多いのですが、手に入りやすい点で便利です。

また、炎症後色素沈着は黒ずんでいるために紫外線を吸収しやすく、色素沈着がさらに深くなってしまうことがよくあります。晴れの日や曇りの日に関わらず、いつでも日焼け止めを塗る習慣をつけておくと良いでしょう。

炎症後色素沈着の予防や注意事項

炎症後色素沈着は健康を害するものではなく、時間とともに自然と消えていくものですが、顔や肌の露出部にできてしまうと美容などの面から気になり、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を低下させることがあります。

治療を受けることでより早く治すことができる場合があるので、まずは皮膚科や美容皮膚科、形成外科などの医療機関を受診することをおすすめします。受診したことで色素沈着によく似た疾患を早期発見できることもあるので、まずは相談してみてください。

よくあるご質問

炎症後色素沈着が陰部にできました。治療は可能でしょうか?

改善に時間はかかりますが、治療は可能です。ご相談ください。

 

FacebookTwitterLine