スギ花粉症やダニアレルギーを軽減!「減感作療法」あるある4選

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「減感作療法」はアレルギー体質を根本的に改善する

「減感作療法」とは?

「減感作療法」は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少しずつ体内に取り込み、アレルギー反応を抑える治療法です。その一つに「舌下免疫療法」があります。この治療法では、アレルゲンを含む薬を舌の下に置いて投与するため、「舌下免疫療法(SLIT)」と呼ばれています。

なぜ舌の下に投与するの?

口の粘膜にはアレルギー症状を引き起こす細胞が少ないため、安全かつ直接的に免疫を刺激できるからです。

治療の具体的な流れは?

「舌下免疫療法」の具体的な治療方法は、アレルゲン(アレルギー反応を引き起こす原因物質)を含む薬を舌の下に毎日置き、一定の時間をおいてから飲み込みます。投薬は3~5年間程度続ける必要がありますが、自宅で実施できるため、通院の手間が少ないというメリットがあります。

「舌下免疫療法」の効果と特徴は?

舌下免疫療法は起きた症状をおさえる(対症療法)だけでなく、アレルギー体質を根本から改善することで、症状そのものを緩和したりほとんど発症させなくしたりすることができます。
アレルゲンを体内に入れる手法として従来は注射が主流でしたが、お子さまが注射を嫌がったり、頻回な通院が必要だったりと困難な面がありました。「舌下免疫療法」は注射よりも負担が少ないため、スギ花粉症とダニアレルギーを根本から改善する治療法として多くの患者さまに選ばれています。

スギ花粉症に対してはシダキュア、ダニアレルギー性鼻炎に対してはミティキュア、アシテアという治療薬が使用されます。

「減感作療法」あるある

スギ花粉症やダニアレルギーの舌下免疫療法を継続する患者さまの「減感作療法」あるあるをまとめてみました。

シダキュア編
  • 周りの人のくしゃみでスギ花粉が飛んでいることを知る

花粉症は症状がシーズンにしか現れません。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ということわざの通り、1年たつと自分ではどのぐらい症状がひどかったか覚えていない事が多いです。
シダキュア治療をすると、気づかないうちにスギ花粉症の症状が軽減されるため、周りの人のくしゃみを目にしてようやくスギ花粉が飛散していることに気づきます。

  • ヒノキ花粉が飛ぶと自分がスギ花粉症だったことを思い出す

シダキュアはスギ花粉症の治療薬なので基本的にスギ花粉にしか効果はありません。シダキュア治療により症状がおさえられ快適に過ごした後、3月中旬ごろになるとヒノキ花粉が飛び始めます。ヒノキ花粉症の方はその頃から症状が出るため、そこで初めて薬が効いていてスギ花粉症の症状が抑えられていたことに気づくようです。

ミティキュア編
  • 旅行や出張のストレスが減る

ミティキュアはダニアレルギーを抑える治療薬です。ダニといっても乾燥して粉々になった死骸やフンなので0.01mm以下の大きさで目に見えません。ダニアレルギーの方は旅行や出張でホテルや旅館などに泊まると鼻水やくしゃみ・咳の症状が出ることがあります。そこで外泊するときには薬の効果が出る時間を逆算して、あらかじめ移動中に抗アレルギー薬を飲む、マスクを付けるなど事前準備が必要でした。ミティキュア治療によりダニアレルギーの症状が出なくなると、外泊するための準備が減り気軽に楽しめるようになるようです。

その他編
  • 他のアレルゲンの治療薬が欲しくなる

アレルギーは本人にとってはつらいものです。減感作療法により今まで苦しめられてきた症状が軽くなると、本当に楽になったと喜ばれ他の薬はないかご質問いただく方は多いです。現時点では国内で保険適用の薬剤はスギとダニしかありませんが、世界に目を向けると様々なアレルゲンの治療薬があります。

アレルゲン免疫療法が効果を発揮するメカニズム

アレルゲン免疫療法は日常生活で取り込まれる量より多い量のアレルゲンを体内に入れる治療法です。
アレルゲンが体内に取り込まれると
①制御性T細胞(過剰な免疫反応をおさえる細胞)が活性化する
②Th1細胞(アレルギー反応をおさえる細胞)が増加する
③Th2細胞(アレルギー反応を促進する細胞)の増加をおさえる
④IgEとアレルゲンの結合を妨げるIgGなど(抗体)が増加する
などの反応が引き起こされると考えられています。このように免疫反応が変化することで、効果を発現すると推測されています。

画像提供:鳥居薬品「どんなメカニズム?

治療のタイミングは?

春先に発症しやすいスギ花粉症に対して舌下免疫療法を行う場合、スギ花粉の飛散シーズンに入る前の前年12月頃までに治療を開始する必要があります。理由は、投薬開始から1か月間は副作用が出る可能性があり、花粉の飛散前に副作用がおさまっていることが望ましいからです。

シダキュアやミティキュアなどの副作用には、口の中やのどに腫れた感じ、かゆみ、頭痛、耳のかゆみ、吐き気などが挙げられます。これらの副作用は数十分ほどで自然におさまります。また、治療開始から1~2か月ほどで気にならなくなるという方が多いです。

治療効果は一生続くの?

アレルゲン免疫療法はアレルギー体質の根本的な治療となりますので、アレルギー症状をずっとおさえられると考える方が多くいらっしゃいます。
患者様の状態やその後の再発を観察していると、治療をやめたあとに症状が戻ってしまうことも見受けられます。海外の報告では治療中止後、継続期間と同程度の期間は症状がみられないという報告もあるようです。可能であれば4~5年継続されることをおすすめします。

保険適用で治療費の負担が少ない

「舌下免疫療法」は健康保険で治療できます。3割負担の患者さまの場合は、1か月間で1,800~2,000円前後が費用の目安となります。
ただし治療を導入するにはアレルゲンに対して陽性の判定が必要なので、アレルギー検査を行う必要があります。なお当院では他院で行ったアレルギー検査の結果をご提示いただいても大丈夫です。

「舌下免疫療法」は子どもへの治療効果も高い

「舌下免疫療法」は高い効果が認められており、なるべく早期に治療開始して症状を改善することをおすすめします。スギ花粉症・ダニアレルギーのいずれも5歳以上から治療することができます。
アレルギーによる鼻づまりや目のかゆみ、くしゃみなどはQOL(生活の質)を落としやすく、学業に集中できなかったり、アウトドア活動を楽しめなかったりしてお子さんとご家庭にとってストレス要因になってしまいます。
特にスギ花粉の飛散シーズンは受験や卒業などのイベントと重なる時期です。なるべく早く治療を開始し、花粉症の症状や抗ヒスタミン薬の副作用(眠気など)から解放してもらいたいです。アレルギー体質は遺伝しますので、親子で一緒に治療を行うことで継続している患者さも多くいらっしゃいます。
アレルギー検査について、当院では注射が苦手なお子さまでも検査を受けられるように、指先からの採血ができる検査もお選びいただけます。8つのアレルゲンを約20分で調べることができます。

» アレルギー検査の詳細はこちら

舌下免疫療法はオンライン診療がおすすめです

オンライン診療による治療継続について

「舌下免疫療法」は長期にわたって薬剤を服用する治療法です。定期的に通院し治療薬の処方が必要になりますが、仕事や学校などで通院の時間を確保できず、治療を中断してしまうケースも少なくありませんでした。
コロナ禍以降、保険診療をオンラインで行うことが認められ、薬局からご自宅などにお薬を送料無料でお届けすることもできるので治療継続のハードルを下げられます。すでに舌下免疫療法を始められている方も、当院のオンライン診療で継続して薬を処方することができます。

下記のいずれかのボタンからお申込みください。

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新規導入について

舌下免疫療法はアレルゲンを体内に入れるため、初回はアナフィラキシーショックが出ないことを確認するために、院内での投与が必要です。(30分滞在)
まずはお気軽にご相談ください。

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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。