いつになったらじんましんは治るの?長期化する場合は通院を

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じんましんは強いかゆみや皮膚の赤みを引き起こすため、日常的にストレスを感じやすい疾患です。老若男女関わらず誰にでも起こり得ますが、じんましんの原因を特定できないケースが非常に多いというのも特徴です。今回は、こうした疑問や悩みを持つ方のために、じんましんの種類や原因、そして検査法・治療法について解説します。

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じんましんの患者さまのお悩み

「いつになったら治るの?」
「毎日繰り返し起こるけれど、このまま一生付き合わなくてはいけないの?」

このようなお悩みをご相談いただくことがあります。じんましんは根気よく治療を続けていくことが必要な病気ですが、生物学的製剤の登場や近年普及しているオンライン診療との相性がよいことから以前より治療環境はよくなってきています。

じんましんとは

じんましんとは、強いかゆみを伴った赤みや腫れ、ポツポツが皮膚に現れる症状です。全身のどの部位でも発症する疾患ですが、一般的には発疹が生じてから24時間以内に引くことが多いです。1週間程度で治まるケースがほとんどですが、6週間以上つづくと慢性じんましんとよばれます。慢性じんましんと診断された場合には数カ月~数年と治療が長引く可能性が高い状態です。

原因を回避するというのがじんましんの治療のひとつにあげられますが、じんましんがでる原因は7~8割が「原因不明」であり、薬がないと症状をコントロールすることが難しいケースも少なくありません。

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じんましんの種類

じんましんが発症する原因はさまざまで、いくつかの要因が重なり合った結果ひとつのじんましんとして発症したり、あるいは複数のじんましんが一斉に発症したりする人もいます。ある種の過敏体質に、外的要因が組み合わさると症状が現れると考えられています。

大まかに区別できる範囲で、原因や特徴ごとに分類すると、以下のような種類があります。

急性じんましん

直接思い当たる原因がないのに、ほぼ毎日のように起こるじんましん。最初の症状が出始めてから1カ月以内のものを呼ぶ。細菌やウイルスが原因となって起こることが多い。

慢性じんましん

急性じんましんと同様に、繰り返し症状が現れ、6週間以上継続しているものを呼ぶ。原因が特定できないことが多い。

物理性じんましん

皮膚の摩擦、寒冷、温熱、日光、振動などの物理的な刺激が直接の誘因となって起こるじんましん。

アレルギー性じんましん

食物や添加物、薬剤、植物などの含まれるアレルゲンが誘因となって起こるじんましん。代表的な例として、魚介類(さば、あじ、さんま、えび、カニなど)、肉類(豚肉、鶏肉、牛肉など)、卵、乳製品、野菜、穀類(そば、小麦、大豆など)、防腐剤、人工着色料、抗生物質などがある。

コリン性じんましん

発汗すると現れるじんましんで、運動や入浴の後にぽつぽつと小さく赤い発疹が皮膚に広がる。発汗をつかさどるアセチルコリンという神経伝達物質が原因。小児から若い成人に多い。

血管性浮腫

じんましんの特殊型のひとつで、まぶたや唇などが2~3日ほど腫れる症状。皮膚の深いところの血管が反応していて、かゆみはあまりなく、赤みもはっきりと出てこない。

イントレランス

アスピリンなど非ステロイド系消炎鎮痛剤や、色素、造影剤、食品に含まれるサリチル酸などが原因となって起こるじんましんを指す。

じんましんの治療法

特に慢性疾患化しているじんましんの場合、原因が特定できないことがほとんどです。しかし、原因不明でも薬剤による治療ができるところもじんましんの特徴です。直接の誘因ではなくとも、疲労やストレス、喫煙などにより症状が悪化することがあるので、日常生活の見直しを行うことも大事になってきます。
じんましんの治療は、まずは治療により症状が現れない状態にすること、さらには治療薬などを使わずに症状が現れない状態にするのが治療の目標です。

基本的な治療は抗アレルギー薬

基本的なじんましんの治療は、発症の原因・誘因を遠ざけることです。原因がはっきりとしている場合にはそれらを排除、回避することが治療の根本です。
さらに薬物治療としては、じんましんではヒスタミンなどの作用物質が血管や神経を刺激することで引き起こされるケースが多いため、抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬が広く用いられます。塗り薬よりも内服薬や注射のほうが目に見える効果を発揮するもので、通常は、服薬を始めてから数日~1週間ほどで症状が治まるようになります。慢性じんましんでは症状の改善がない、改善してもくすりをやめると症状が出てしまうということがおきます。まずはじんましんが2カ月以上発症しない状態を目指し、完治へと向かいましょう。あきらめずに治療を継続することが何よりも大切です。

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なかなか治らないときの治療薬「ゾレア」

ゾレアは6週間以上症状がなおらない慢性じんましんが基本的な治療でよくならない場合に使うことができる治療薬です。生物学的製剤に分類されるお薬で、定期的に注射をして薬剤を投与します。現状では取り扱いのある医療機関が多くないようで、自宅近隣の医療機関でゾレア治療の扱いがないため遠方より通院いただいている患者さまもいらっしゃいます。
また、ものごころがついてから20年来じんましんで悩まされていたのにゾレア治療を開始してからじんましんの症状がでなくなったとお喜びになっていた患者さまもいらっしゃいました。こういったお声をお聞きするといかにじんましんによるストレスが強いかがわかります。少しでも症状の改善にお力添えできればと考えています。

» ゾレアの詳細はこちら

日常生活で気をつけること

普段の生活で気をつけることとして、アレルギーを引き起こす食物や食品添加物・防腐剤・着色料などをとることを控えるようにしてください。また、生鮮食品は新鮮なものを選ぶようにし、古くなったものはなるべく食べないようにしましょう。摩擦が原因の場合は、ゆったりとした衣服を着用するようにするなどの工夫が可能です。

近年、アレルギーを引き起こす食物を食べたあとすぐに運動すると、じんましん、血圧の低下、呼吸困難や気分不良といったアナフィラキシー症状を起こす例があることが確認されるようになりました。この場合は、食物を食べることを控えるか、あるいは食後すぐの運動を控えるかによってある程度発症を予防することが可能になります。

強いストレスもじんましんのきっかけになるため、受験生などでみられることも多くみられます。ストレスをためすぎないことも大切です。

じんましん治療と相性のいいオンライン診療

じんましんの治療は長くかかることも多いですが、なかなか通院をつづけるのが難しく治療を中断してしまう方もいました。近年、コロナ渦でオンライン診療が一気に普及したことで、これまで通院を続けられなかった方でも受診を継続しやすくなったといえます。
じんましん診療は常に症状が出るわけではなく、症状がでたときに自身で写真を撮影いただき診察時には写真をもとに治療をおこなうことも多いです。画像をもとに治療をおこなうという意味は対面診療でもオンライン診療と大きく違いはありません。オンライン診療

» オンライン診療の詳細はこちら

まとめ
  • じんましんは原因が特定できないことが非常に多い疾患である
  • 慢性化していたり症状が強く表れていたりする場合は完治までも長引きやすい
  • じんましんの治療は程度や日常生活への影響などを考慮し個人にあった治療を決める
  • オンライン診療を活用すれば、相談や途中経過の確認も可能
  • 当院では生物学的製剤「ゾレア」による治療も可能
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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。