ダイエットすれば糖尿病は予防・改善できる?食事と運動のポイント

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糖尿病は肥満や生活習慣と関係が深い病気

肥満と糖尿病の関係

肥満のイラスト

糖尿病は肥満と関係が深い病気です。

多くの研究で、BMI(体格を表す指標:(体重[kg]/身長[m]2で算出される)と糖尿病の発症との間に「正」の相関があることが示されており、アジア人は欧米人に比べて強い相関がみられることが報告されています。

特に注意が必要なのは、ウエスト周囲長が大きくなる「内臓脂肪型肥満」です。内臓脂肪型肥満があると、インスリン(糖の代謝をコントロールし、血糖値を一定に保つホルモン)が分泌されても十分に作用しない「インスリン抵抗性」をまねきやすくなります。

インスリン抵抗性があると糖代謝がうまくいかなくなるため、糖尿病が進行するリスクも高くなります。

食事・運動の習慣と糖尿病の関係

食事で摂取するエネルギー量を適正化すると、糖尿病の発症を予防できることが報告されています。また、食物繊維の摂取は糖尿病の発症リスクを低下させることがわかっています。エネルギー摂取量の適正化や食物繊維の摂取は、糖尿病発症後の血糖コントロールにも良い影響を与えます。

一方、炭水化物のうち、食後の血糖値を上昇させやすい食品(白米、白パン、せんべい、ドーナツなど)の摂取量が多いと、糖尿病の発症リスクが高くなります。また、総エネルギー摂取量のうち、タンパク質(特に動物性タンパク質)の占める割合が高くなりすぎると、糖尿病を発症しやすくなります。脂質については、動物由来の脂肪が糖尿病の発症リスクを高めることがわかっています。

運動習慣については、1日の運動量が多いと糖尿病の発症リスクが減少することが明らかになっています。逆に、座っている時間が長くなると、糖尿病の発症リスクが高くなることが報告されています。なお、適度な運動は糖尿病発症後の血糖コントロールにも有用です。

ダイエットすれば糖尿病は予防・改善できるのか

ダイエットで体重が適正体重に近づき、インスリン抵抗性が改善されれば、糖尿病の発症を予防したり症状の悪化を防いだりすることも可能です。糖尿病に関連する検査値(HbA1c:過去1~2ヵ月の平均的な血糖値を反映する検査指標)などが改善してくれば、薬の減量・中止につながることもあります。

肥満をともなう糖尿病で重要なのは「減量」

減量

肥満をともなう糖尿病では、まず減量して代謝の改善を図ります。実際、肥満をともなう糖尿病の方を対象とした臨床試験では、1年で15kg以上減量した人の86%が寛解(症状がほとんどない状態)を得ています。

ただし、急激な減量はリバウンドをまねいたり健康を損なったりするおそれがあるため、好ましくありません。BMIが25~35の場合は現体重の3%を、BMIが35以上の場合は現体重の5~10%の減量を目標として、肥満と糖尿病の改善を目指すようにしましょう。

なお、糖尿病を発症していない肥満であっても、減量は大切です。生活習慣を改善して体重を2kg減らすだけで、糖尿病の発症リスクは大幅に抑えられます。

肥満をともなわない糖尿病でも食事療法・運動療法は大切

肥満をともなわない糖尿病でも、食事内容や運動習慣の見直しは大切です。多数の臨床試験を解析した研究では、エネルギー摂取量が適切であれば短期間(6~12ヵ月以内)の炭水化物制限は血糖コントロールに有用であると報告されています。

血糖値が上がりにくい炭水化物(玄米など)を選ぶこと、食物繊維を積極的に摂ることなども、血糖コントロールに役立ちます。また、運動を継続的に行うと血糖コントロールが改善し、内臓脂肪の蓄積予防やインスリン抵抗性の改善にも役立ちます。ちなみに、食生活および運動習慣の見直し・改善は、どちらか一方だけではなく組み合わせて取り組むとより高い効果が期待できます。

糖尿病の予防・改善におすすめのダイエット方法

食事内容の改善

糖尿病の予防・改善のために、特定の食品を抜いたり極端に食事量を減らしたりする必要はありません。また、食べてはいけない食品や特に良いという食品もありません。過食を避け、栄養バランスの良い食事を規則正しく摂ることを心がけましょう。

適切な摂取エネルギーの算出方法

過体重や肥満がある場合は、1日に摂取するエネルギー量が過剰にならないようにしてください。

1日に必要なエネルギー量は「目標体重×エネルギー係数」で算出できます。
「目標体重」は以下の式で算出できます。

65歳未満の場合:目標体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
65歳以上の場合:目標体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22~25

「エネルギー係数」の目安です。

労作の強度 エネルギー係数
軽い労作
(大部分が座位
の静的活動)
25~30
(kcal/kg目標体重)
普通の労作
(通勤・家事
軽い運動を含む)
30~35
(kcal/kg目標体重)
重い労作
(力仕事・活発な
運動習慣)
35~
(kcal/kg目標体重)

例えば、55歳で身長が160cm(1.6m)、普通の労作をしている人の場合は以下のようになります。

目標体重= 1.6(m)×1.6(m)×22=56.3kg
1日に必要なエネルギー量:56.3kg×30~35kcal/kg目標体重=1,689~1,970.5kcal

なお、栄養素の組成は、エネルギーの40~60%を炭水化物で摂取し、タンパク質は20%まで、残りは脂質で補うのが理想です。

血糖値を上げにくい食事のポイント

BMIが適正な範囲にある場合
(18~49歳:18.5~24.9、50~69歳:20.0~24.9、70歳以上:21.5~24.9)は、
必ずしも減量は必要ありません。

ただ、以下のような点に注意すると血糖値の急上昇を防ぎやすくなるため、より健康に過ごせるようになります。

  • 野菜から食べる。
    →野菜を先に食べると、糖質による血糖値の急上昇を抑えられます。
  • 主食は1種類のみにする。
    →ラーメン+チャーハン、うどん+炊き込みご飯、パスタ+パンなど、主食を重ねて食べると血糖値が上がりやすくなります。
  • 血糖値の上がりにくい食品を選ぶ
    →血糖値の上がりにくい食品(雑穀や玄米、全粒粉パン、そばなど食物繊維の多い食品)を選ぶと、血糖値の急上昇を防ぎやすくなります。
  • 「腹八分目」を目指す。
    →主食を控えても、揚げ物や肉類を多く摂るとエネルギー摂取量が多くなります。栄養バランスに配慮し、食べ過ぎないように気をつけましょう。
  • 規則正しく食事を摂る。
    食事の間隔が長くなると、あとの食事で血糖値が高くなりがちです。規則正しく食事を摂ると、血糖値の急上昇を防げます。
  • 寝る直前に食事をしない。
    →寝る間際に食事を摂ると、就寝中の高血糖をまねき、体重増加にもつながります。
  • よく噛んで食べる。
    →よく噛むと、腸からインスリンの分泌を促すホルモンが出てきます。
  • ゆっくり食べる。
    →ゆっくり食べると満腹感が増すため、過食を抑えられます。

運動習慣の見直し

運動

糖代謝を改善するためには、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて行うのがおすすめです。いずれの運動も、インスリン抵抗性および血糖コントロールの改善に大変有用です。

  • 有酸素運動:ウォーキング(早歩き)・ジョギング・水泳など

有酸素運動は、中等度(ややきついと感じる程度)のものを週に150分以上、週に3回以上、運動しない日が2日間以上続かないようにするのが理想です。

ちなみに、150分の有酸素運動は約15,000歩の歩行と同等です。つまり、毎日2,000歩強歩数を増やせば十分な運動量を確保できます。

  • 筋力トレーニング:腹筋、ダンベル、腕立て伏せ、スクワットなど

筋力トレーニングは、連続しない日程で週に2~3回行うのがおすすめです。全身の筋肉をくまなく鍛えるのが理想ですが、全身の筋肉の約7割は下半身にあるため、時間がない場合は下半身を中心に鍛えられるスクワットなどがおすすめです。負荷は10~15回繰り返すことができる程度の強度から始め、その後少しずつ負荷を上げて8~12回程度で限界に達する強度にしていきます。これを1~3セット行うのを目標にしましょう。

運動するタイミングと注意点

運動は、食事の約1時間後に行うと高血糖の改善が期待できます。ただし、空腹時の運動は避けてください。特に薬物治療を受けている場合、空腹時に運動すると血糖値が下がりすぎるおそれがあります。インスリンを使用している場合は、運動を始める前に医師と相談して投与するインスリン量を決定し、低血糖を防ぐようにしてください。ちなみに、適度な運動は糖尿病の発症予防にも効果的です。

積極的に歩くこと(特に早歩き)・有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて行うことなどは、糖尿病の発症リスク低下に大いに役立ちます。座位中心の生活をしている場合は、30分に1回は座位を中断し、軽い運動をするようにしましょう。

ダイエットをして糖尿病を予防・改善したい方のオンライン診療

ダイエットをして適正な体重を維持すること・食事内容や運動習慣を改善することは、糖尿病をはじめとした生活習慣病の予防・改善に有効です。

しかし、健康を維持するためには、生涯にわたって体重をコントロールしていかなければなりません。また、自己判断でのダイエットは、ときに健康を害することもあります。
「では、どうすればいいの?」
そのようなお悩みにお応えできるのが、オンライン診療です。オンライン診療なら、通院が難しい方でも医師の診察を受けられます。医師による継続的なサポートが受けられるため、ダイエットを続けたい方・適性体重を維持したい方にもおすすめです。
糖尿病の予防・改善を目指す方は、この機会に当院のオンライン診療をご利用ください。

下記のいずれかのボタンからお申込みください。

» オンライン診療の詳細はこちら

糖尿病の処方薬一覧
分類 商品名 一般名
スルホニル
尿素薬
オイグルコン グリベンクラミド
グリミクロン グリクラジド
アマリール グリメピリド
速効型インスリン
分泌促進薬
ファスティック
スターシス
ナテグリニド
グルファスト ミチグリニド
シュアポスト レパグリニド
DPP-4阻害薬 ジャヌビア
グラクティブ
シタグリプチン
エクア ビルダグリプチン
ネシーナ アログリプチン
トラゼンタ リナグリプチン
テネリア テネリグリプチン
スイニー アナグリプチン
オングリザ サキサグリプチン
ザファテック トレラグリプチン
マリゼブ オマリグリプチン
GLP-1受容体
作動薬
リベルサス セマグルチド
ビグアナイド薬 グリコラン メトホルミン
ジベトス ブホルミン
メトグルコ メトホルミン
チアゾリジン薬 アクトス ピオグリタゾン
αグルコシダーゼ
阻害薬
ベイスン ボグリボース
セイブル ミグリトール
SGLT2阻害薬 スーグラ イプラグリフロジン
フォシーガ タパグリフロジン
ルセフィ ルセオグリフロジン
デベルザ トホグリフロジン
カナグル カナグリフロジン
ジャディアンス エンパグリフロジン
ミトコンドリア
機能改善薬
ツイミーグ イメグリミン

 

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記事制作者

木村眞樹子

東京女子医科大学卒業。循環器内科専門医内科、睡眠科において臨床経験を積む。
東洋医学を取り入れた漢方治療にも対応。
オンライン診療に積極的に取り組む3児の母。