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「コレクチム軟膏」について
コレクチム軟膏は、日本で開発されたアトピー性皮膚炎に対して効果を発揮することが期待される、世界初の非ステロイド性・外用JAK阻害薬です。新たな有効成分含有のアトピー性皮膚炎の外用薬としては、1999年に発売されたプロトピック軟膏以来の新薬となります。
細胞内の免疫活性化シグナル伝達に重要な役割を果たすヤヌスキナーゼ(JAK)の働きを阻害し、免疫反応の過剰な活性化を抑制することで、抗炎症作用及び抗そう痒作用によるアトピー性皮膚炎の皮疹に対する改善作用を示しており、52週間反復塗布した長期の安全性も確認されています。
また、ステロイドの維持期に置き換えて使えることで、ステロイドの使用を減らせる可能性があると考えられ、外用薬のため、全身性の作用がなく、副作用の軽減も期待できると考えられています。
アトピー性皮膚炎の治療の新しい選択肢
アトピー性皮膚炎の治療目標は、症状が認められない、あるいは症状があっても軽微であり、かつ日常生活に支障がない状態への導入およびその長期維持です。
このことから、既存のステロイド外用薬やプロトピック軟膏等の中心的治療薬だけでなく、アトピー性皮膚炎の病態形成や進展の要因(皮膚バリア機能の低下、炎症、痒み)を抑制できる、寛解導入および寛解維持療法において長期連用可能な薬の開発・承認が求められてきました。
ステロイド外用薬は症状が改善した後の減量が難しい事や、皮膚萎縮や毛細血管拡張などが現れる可能性がある等の副作用があり、プロトピック軟膏は使用時にほてり感、ヒリヒリ感、そう痒感などの刺激感を感じる場合がありました。
コレクチム軟膏は使用時の刺激感も起こりにくく、副作用が少ないとされており、また前述の通り長期間での安全性も確認されていることからアトピー性皮膚炎の治療の新たな選択肢として期待されています。
コレクチム軟膏の適応患者について
- 16歳以上のアトピー性皮膚炎の方
- 6ヵ月以上16歳未満の小児のアトピー性皮膚炎の方
2023年1月に生後6ヵ月~2歳まで適応が広がりました。
従来、湿疹に対する治療は2歳までステロイドしか使用できなかったので、コレクチムの効果が期待されます。
コレクチム軟膏の使い方について
- 16歳以上の方は0.5%製剤
- 6ヵ月以上16歳未満の方は0.25%製剤
を1日2回患部に塗布します。
チューブ1本に5g入っており、1回に塗る量は最大で5g(チューブ1本)までです。
人差し指の先端から第一関節まで出した量が1FTU(Finger tip unit)で、約0.5gです。
1FTUで手のひら2枚分ぐらいの面積に塗ることができます。
ティッシュが皮膚に付く、または皮膚がテカる程度を患部に塗ってください。