春の新生活で皮膚疾患に悩むひとが急増!原因と正しい治療法は?

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春は新生活が始まる季節。新しい環境や人間関係が始まることに心が浮き立つシーズンですが、皮膚科では皮膚疾患を相談に来る患者さんが非常に多くなる時期でもあります。なぜこのタイミングで皮膚疾患のお悩みが増えるのでしょうか?

今回は、春の新生活と皮膚疾患の関係について、「春に皮膚疾患が増える原因」や「春先の肌荒れを早く治すための方法」をまとめました。すでに皮膚疾患をお持ちの方で、新生活の始まりに不安があるという方や、環境変化にストレスを感じやすく、新生活が始まってからの体調が気になるという方は、ぜひ本記事を参考にしてくださいね。

新生活が始まる春は皮膚疾患の相談が増える

皮膚科では春先から、肌トラブルの悩みを相談に来られる患者さんが増えるようになります。進学や就職など新しい生活が始まるタイミングで、前向きな気持ちだという方や、期待と不安が半々だという方など、皆さんさまざまな思いでスタートを切られると思いますが、なぜこの時期に肌トラブルが目立つようになるのでしょうか。

化粧品・医薬部外品事業を展開する株式会社マンダムが18~39歳の女性を対象に行ったアンケートでは、7割近くの女性が「新生活の時期に肌が不安定になる」と回答しました。さらに、肌荒れをしているとメンタルの状態に影響が大きいという声も8割以上の回答者から上がっています。

「ニキビができてしまったけど、わざわざ病院に行くほどでもないかな……」
「軽いアトピーは市販薬で治せるんじゃないかな」
このように考える方がいらっしゃるかもしれませんが、もっとも早く安全に治すためにぜひ私たち皮膚科を利用していただければと思います。

皮膚疾患の相談が増える理由

季節の変わり目は気温や湿度の変化が大きく、体調を崩しやすいタイミングです。春は特に、紫外線が強くなったり、花粉が飛んだりと、自然環境が皮膚に負担をかけやすい季節です。これに加えて、新しい学校やクラス、職場・部署での生活が始まったり、役職や仕事内容が変わったりすると、不安だけでなくストレスもかかりやすいでしょう。

また、一人暮らしを始めたという方もいらっしゃると思います。新しい環境に早く慣れようと忙しく毎日を過ごしていると、食生活や睡眠時間の確保を後回しにしてしまうということもあるでしょう。こうしたさまざまな要因が重なると体に備わった免疫力も低下し、体調を崩しやすく、肌も荒れやすくなります。すでに皮膚疾患をお持ちの方ですと、引っ越しなど生活環境を変える準備を始めた頃に、新たな肌トラブルに悩み治療をご希望されるという方も少なくありません。

春先に皮膚疾患の相談が増える理由は、「さまざまな環境の変化で皮膚症状が増悪する」ことに加え「新しい人間関係の中へ入る前にきれいに治しておきたい」という心理的な要因が加わるためだと思われます。

新生活で起きやすい肌トラブルの種類は?

それでは、春先に特に起こりやすい肌トラブルにはどのような種類があるのでしょうか?
この時期に当院でご相談が増えるのはニキビアトピー性皮膚炎じんましんなどの疾患です。

ニキビ

ニキビは、過剰に分泌された皮脂が毛穴を詰まらせ、ニキビ菌(プロピオニバクテリウム アクネス)が毛穴の中で増殖して炎症を起こしてできるものです。尋常性ざ瘡という名前、がついている皮膚疾患の一種です。

思春期のニキビはおでこや鼻など「Tゾーン」にできやすく、大人ニキビはあご、頬、口まわりなどの「Uゾーン」に多く見られます。また、男性は口まわりにできることがよくありますが、これはひげ剃りの摩擦や、シェービング道具の清潔さによるところが多いと考えられます。このほか、胸や背中など、皮脂の分泌がさかんな部位や皮膚の乾燥しやすい部位にもニキビはよくできます。
ニキビの原因はひとつではありません。不規則な生活や食生活の乱れ、睡眠不足やホルモンバランスによっても起こりやすくなると考えられています。特に一人暮らしの場合、日中は学業や仕事に忙しく、疲れて帰ったら食事はコンビニや外食ですませる、お風呂に入らず寝てしまうという方も多いです。あるいは、新しい友達関係の中で、夜はほとんど眠らず遊んでしまうという方もいるでしょう。栄養バランスや休養がよくとれていないとニキビはできやすくなります。

また、ストレスや過労はニキビを悪化させる要因です。新生活によって感じるストレスが大きいと、ニキビがなかなか治らないという悩みにもつながります。

アトピー性皮膚炎

もともとアトピー体質の患者さんは、肌が乾燥しやすく、炎症を起こしやすい傾向にあるため、春先の紫外線や乾燥による負担も大きくかかります。
また、新生活が始まった頃は、覚えることや慣れなくてはいけないことがたくさんありますよね。そんな忙しい毎日の中で、医療機関で処方された外用薬を塗ることを忘れてしまったり、薬が切れてなくなってしまったときも、病院で再処方してもらうのを先延ばしにしてしまったりといったことがあります。その結果、病状をコントロールできずに、今までは症状が抑えられていたけれど悪化してしまったというケースが見られます。
アトピー性皮膚炎は、皮膚科など医療機関で継続してコントロールすることが大事です。

じんましん

じんましんは、楕円形の赤いふくらみ(腫れ)が皮膚に生じ、激しい痒みをともなう疾患です。アレルギー反応によって引き起こされるほか、物理的な刺激や発汗によっても発症します。また、精神的なストレスや過労で体の免疫が低下しているときもじんましんが発症しやすくなります。そのため、ニキビと同様に、新生活に入ってから睡眠不足など生活リズムが崩れてしまったという方に多く見られます。

春先のじんましんは、もともとじんましんが出やすい体質の患者さんでは憎悪しているケースが多いです。また、今までは症状が特になかったのに新規に発症したという患者さんもいます。

春先の肌トラブルを改善する方法

春先の肌トラブルのお悩みは、ぜひ皮膚科にご相談ください。生活スタイルなどに合わせて無理なく治療を継続できる方法を提案し、少しでも早く症状が治癒できることを目指します。

「つい忙しくて薬を飲むのを忘れてしまった」など、医師の判断なく処方薬の使用を中止すると、皮膚疾患の症状は悪化してしまいます。薬は自宅のほか、学校や職場など普段過ごす場所に小分けして保管しておくと飲み忘れを防ぎやすくなるので、ぜひやってみてくださいね。

当院では初診からオンライン診療に対応しておりご来院いただかなくともお薬の処方が可能です。通院が難しいときなどにご利用ください。診察をご希望の方は下記リンクよりお申し込みください。

» オンライン診療の詳細はこちら

ニキビの治療法

殆どのニキビは、保険が適用される薬や治療法によって改善させることが出来ます。

» ニキビ治療の詳細はこちら

保険診療で十分な効果が得られない、また毛穴やニキビ跡が気になる方では、自費治療のケミカルピーリング(自費)などをお勧めすることもあります。
皮膚にサリチル酸マクロゴールを塗布して古い角質層を取り除き、肌をきれいに整える方法で、5回ほどの施術で効果を実感できるので、新生活が始まる前から計画的に取り組むことができます。なお、学生の方であれば年度内に治療を開始すれば学割をご利用いただけます。

» ケミカルピーリングの詳細はこちら

アトピーの治療法

アトピーの治療の基本は、ステロイドをはじめとする外用薬を塗る方法です。最近はプロアクティブ療法といい、アトピー症状が落ち着いている時も継続して炎症をおさえる薬を使用し続けることで、再発を抑えるという療法が提唱されています。詳しくは「アトピー性皮膚炎」のページをご覧ください。

» アトピー性皮膚炎の詳細はこちら

中等症以上のアトピー性皮膚炎の患者の方には、デュピクセントをはじめとした全身療法をおすすめしています。全身療法では生物学的製剤などを使い、患部のみではなく全身に対して治療を施します。効果が高いため、新生活前に受けたいという患者の方がいらっしゃいます。一般の外用薬や飲み薬よりは高額になりますが、新生活で扶養から外れると高額療養費制度を利用しやすくなるので全身療法をご希望の方はご相談ください。

じんましんの治療法

じんましんにはいくつかのタイプがあるので、最初にどのようなタイプのじんましんであるかを診断します。食物や薬剤アレルギーが原因ではない場合、ストレスを感じた時にじんましんが発症する場合などは、抗アレルギー薬の内服薬を飲み続けることで症状が改善していくケースが多いです。
症状が改善しない場合、ゾレアという生物学的製剤を用いた治療法を取り扱っています。詳しくは「蕁麻疹」のページをご覧ください。

» じんましんの詳細はこちら

まとめ

いかがでしたでしょうか。肌トラブルは早めに治療を受けることで、悪化を防ぎ、早く良い状態でコントロールすることができます。肌の調子がいいと気分も明るく過ごせますよね。生活リズムを整えたり、栄養や睡眠をしっかりとったりすることも根本的な改善のために大切です。すこやかな皮膚をキープできるような生活スタイルもアドバイスできますので、まずはお気軽に受診してくださいね。

まとめ
  • 春は紫外線や花粉などが肌に負担をかけやすい季節
  • 新生活が始まると生活リズムや食生活が乱れやすく、不安やストレスもかかって肌トラブルが起こりやすい
  • 肌トラブルが起こるとメンタルにも悪影響を及ぼす
  • 新しいコミュニティに入る前に皮膚疾患を治療したいという患者さんが多い
  • 特にニキビ、アトピー、じんましんの相談が多い
  • 当院では治療を継続できる方法や工夫も提案している
  • オンライン診療でも薬の処方が可能
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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。