足の裏が痛い!場所によって異なる原因や治療法を解説

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足の裏が痛むようになると、気になって仕事や家事、学業に集中できなかったり、痛みがひどくなると歩いたり立ったりなど足の裏を刺激・圧迫するような動作が困難になることがあります。日常生活に支障が生じることが多く、痛みが軽度でも無視できない症状です。

今回は、足の裏が痛くなる原因としてよく挙げられるものをご紹介するとともに、足の裏を健康に守るために日常的に気をつけると良いポイントも解説いたします。

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足の裏にできる痛い皮膚疾患

足の裏の痛み

足の裏はあまり自分の目には触れない場所なので普段気にかけていない人が多いですが、一度痛みが生じると心身にかかる負担は小さくありません。

また、足の裏に痛みの原因と思われる異変が確認できても、見た目の似ている症状が複数あるため、原因が何なのか素人目には判断が難しいこともあります。
痛みの原因によって治療法が異なります。頻度が高い疾患からご紹介いたします。

魚の目

場所:足の裏や足指のつけね、親指や小指の側面など

魚の目は鶏眼(けいがん)とも言って、増殖して厚くなった角質が硬くなり、中央に小さな穴のようなものや白い粒が見える角質肥厚の病変です。足の裏が痛いと訴える患者さんの中ではもっとも多い症状です。たこと混同されることがありますが、たこは基本的に痛みがありません。

魚の目とたこはどちらも、サイズの合わない靴を履いていたり、立ち方や歩き方に偏った癖があったり、巻き爪や偏平足などをかばって歩くといった、日常動作の積み重ねによって起こります。継続的に刺激を受けることで皮膚が厚く硬くなる症状で、骨が出っ張っている場所に発生します。たこは表面が上に向かって厚くなるのに対し、魚の目は硬くなった皮膚が体内の奥のほうに食い込み、角質柱の芯が神経を圧迫するので強い痛みを感じます。

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いぼ

場所:かかと、足指の根元・腹(その他どこにでもできる)

いぼは主に、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで起こるウイルス性疣贅(ゆうぜい)のひとつです。足の裏にできるいぼは特に「足底疣贅」と呼ばれ、魚の目やたこに見た目が似ていますが、硬化した表面の皮膚を削ると出血します。

ウイルス性のいぼの場合は、接触によって自分の身体の他部位や他人にうつりやすく、またプールや銭湯などの公共施設で間接的に感染するケースもあります。足底疣贅は歩行や立ち動作によって絶えず圧迫と刺激を受けるため、疣贅がさらに硬くなり、疣贅どうしがくっついて融合することもあります。感染拡大を防ぐためにも早期の治療が必要です。

治療には液体窒素モノクロロ酢酸を使用することが一般的ですが、いぼはウイルスが正常な皮膚に寄生しているため患部の周辺の正常皮膚も除去する必要があります。そのため、ある程度痛みを伴う治療は避けられません。足底疣贅は放置しているとどんどん拡大して治療が困難になることもあるため、小さいうちに医療機関を受診してください。

» いぼの詳細はこちら

皮膚科に来院される足の裏の痛みの原因は、魚の目といぼがほとんどです。
続いて頻度は少ないですが、足の裏の痛みを引き起こす疾患についてご紹介いたします。

蜂窩織炎

場所:悪化すると全体に広がる(片足のみ)

まれですが、蜂窩織炎(ほうかしきえん)が足の裏にできることで痛みが生じるケースがあります。黄色ブドウ球菌や化膿レンサ球菌などの最近が入り込んで、皮下組織や筋膜などの深層部にもダメージを与える急性化膿性炎症です。虫刺されや小さな傷、点滴の穴といったところから細菌が入って発症することがあります。

蜂窩織炎の症状として、強い痛みのほか、患部が赤く腫れて熱を持ったり脚がむくんだり関節・リンパ節が腫れたりといった局所症状と、発熱や悪寒、頭痛といった全身症状があります。これらの諸症状は、体内に侵入した細菌そのものが引き起こすほか、人体の免疫機能が細菌を攻撃することによっても発症します。

蜂窩織炎になりやすい方は、水虫、糖尿病、アトピー性皮膚炎による湿疹や肌荒れがある、静脈瘤があるといった傾向が見られます。透析治療や抗ガン剤治療、免疫抑制剤や副腎皮質ホルモンによる治療を受けている方や、免疫力が低い新生児、乳幼児、高齢者は重症化しやすいので注意が必要です。

» 蜂窩織炎の詳細はこちら

帯状疱疹

場所:片足に点在する

きわめてまれですが、足の裏に帯状疱疹ができることがあります。帯状疱疹とは、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)に感染することで、神経が分布しているエリアに沿って赤い帯状の発疹ができる、強い痛みを伴う感染症です。水ぼうそうに感染したあと、そのウイルスが神経節に潜伏していて、体調不良や季節の変わり目、ストレスや睡眠不足、ガン・悪性腫瘍など、免疫力が低下しているときに再活性化して繰り返し発症するというものです。

水ぶくれができているときにつぶすと、内容物にウイルスが含まれているので、水痘として他の人に接触する恐れがあります(水痘にかかった経験のある人には感染しません)。

» 帯状疱疹の詳細はこちら

治療法

足の裏に痛みを引き起こす原因にはさまざまな疾病・怪我が考えられるため、治療方法も慎重に検討しなくてはいけません。

魚の目の治療では、サリチル酸を含むシールや塗り薬を患部より少し小さく使用する治療法が基本です。また、角質化した部分をハサミ、メス、やすりなどを使って削り、芯の部分を摘除して再発を防ぐ方法もあります。

いぼは大きさや種類などを確認して治療法を判断すると良いため、医師にご相談ください。よくある治療法としては液体窒素を用いた冷凍凝固療法で、いぼを壊死させることでかさぶた化し、剥離させるというもの。高い効果が見込めるうえに治療後は当日中に入浴することも可能で、日本皮膚科学会も推奨しています。ただし痛みが強いため、他の治療法としてモノクロロ酢酸やサリチル酢軟こう、ヨクイニンなどを用いることもあります。

蜂窩織炎は細菌によって起こる感染症のため、抗菌薬を内服します。もし患部に膿が発生していたら切開手術を行います。水虫によって蜂窩織炎を発症しているようであれば、足白癬と爪白癬のいずれかかの診断を行った上で薬物の処方を行います。

帯状疱疹の治療は、重症化を防ぐこと、皮膚の治療、痛みの緩和を同時に行うため、まずは抗ウイルス効能のある内服薬を服用します。痛みが激しい際は痛み止めや炎症を防止する薬、さらに重症化が進んでいる場合は点滴治療なども取り入れます。帯状疱疹後には神経痛が残ることがあり、この場合は治療に時間がかかります。

予防方法

日常的に足の裏の痛みを予防する方法があります。まず魚の目を防ぐために、足の形に合った靴やソールを選ぶようにしましょう。トウの形状や高すぎるヒールなど、親指や小指、足の裏が靴で圧迫されると魚の目ができやすくなります。一人ひとりの足に合わせてインソールを製作してくれる靴屋さんもあるので、相談してみることをおすすめします。

足の裏にできるいぼ防止はウイルス感染によることが多いため、身近にいぼに罹患している人がいたら接触感染しないように気をつけましょう。皮膚に傷ができたらワセリンなどを塗ってウイルスの侵入を防ぐ方法もあります。また、皮膚の免疫力をアップさせるために、適度な栄養と運動、睡眠をとる習慣をつけることが大切です。

蜂窩織炎の予防法も、やはり免疫力を高めることが肝心です。普段から手洗いや入浴、うがいを行い、皮膚や粘膜を清潔にしておくと良いです。再発しやすい疾患なので、アトピー性皮膚炎や水虫にかかっている人は、医療機関で治療しておきましょう。

帯状疱疹は、幼少期などにかかった水ぼうそうのウイルスが神経節に潜伏していることで発症します。そのため、乳幼児の段階で水ぼうそうのワクチンを定期的に打っておくと予防になります。さらに、現在は50歳以上の人を対象に帯状疱疹予防のワクチン接種が可能になりましたので、検討してみてください。

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まとめ
  • 足の裏が痛む原因は多種類あり、それぞれ治療法が異なる
  • 魚の目は芯を摘除しないと繰り返し再発する
  • 足の裏のいぼはウイルス性で感染することがある
  • 蜂窩織炎は細菌が原因となる疾患で、重症化しやすいタイプの患者さんがいる
  • 帯状疱疹は幼少期にかかった水ぼうそうが原因で発症する
  • 日頃から足に負担をかけないような靴・道具選びが肝心
  • 体と皮膚の免疫機能を高めるため、正しい栄養・睡眠・運動をとること
  • ワクチン接種が予防方法として有効なケースがある
  • 繰り返すことがあるのでまずは医療機関で診断を受けましょう
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記事制作者

小西真絢(巣鴨千石皮ふ科)

「巣鴨千石皮ふ科」院長。日本皮膚科学会認定専門医。2017年、生まれ育った千石にて 「巣鴨千石皮ふ科」 を開院。
2児の母でもあり、「お肌のトラブルは何でも相談できるホームドクター」を目指しています。