最終更新日:2024年12月25日
目次
ダニアレルギーの症状
ダニアレルギーは、ダニの死骸やフンに含まれるタンパク質が体内に侵入したことで起こるアレルギー症状です。
アレルギー体質の人に発症しやすく、乾燥肌の方は特に、表皮の角質が剥がれ落ちて免疫力も低くなっているところにアレルゲン(アレルギーの原因物質)が入り込みやすいため、症状が起こりやすくなります。
アトピー性皮膚炎・湿疹・蕁麻疹
ダニアレルギーによって起こる、かゆみを伴う皮膚炎にはアトピー性皮膚炎・湿疹・蕁麻疹などがあります。
皮膚の肥満細胞からヒスタミンやサイトカインなどかゆみを引き起こす物質が放出され、肌に赤いみみずばれが広がることもあります。
また、かゆいからと肌をかきむしってしまうと皮膚のバリア機能がさらに下がり、乾燥肌や湿疹がさらに悪化してしまう悪循環になります。
アレルギー性鼻炎
目や鼻の粘膜にアレルギー反応が出て、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎や、目のかゆみといった症状が起こります。
気管支喘息
気管支の中で炎症が起き、粘膜が腫れあがって空気の通りが悪くなったり、痰がつくられて気道が狭くなってしまったりして、呼吸が難しくなる症状です。
せきこんだり、呼吸する時にヒューヒューという音が出たりします。
ダニアレルギーが発症する原因は?
ダニアレルギーはダニに噛まれることではなく、ダニに由来するタンパク質がアレルゲンとなって発症するアレルギー性疾患です。
アレルギーのもっとも効果的な予防方法はアレルゲンと接触しないことですが、ダニは家の中にも外にも生息しているため完全に遠ざけることはできないでしょう。
ここでは、特に家の中でダニが好む環境についてご説明します。
ダニが好む環境とは
ダニは温度25~30℃と湿度60~70%あたりという、温度と湿度が高い環境を好みます。
1年のうちでは梅雨から夏にかけての6~8月にもっとも繁殖します。
ただし、冬や春などもダニは生息しており、シーズンごとに活動期や潜伏期があります。
そのため、ダニ対策は1年を通して行うと効果的です。
布団や枕、マットレスといった寝具は湿度と温度が高く、また付着している人間の皮脂が餌となるため、ダニが非常に好む環境です。
また、カーペット、ソファ、カーテンなど布製の家具も寝具と条件が似ており、繊維は奥までの掃除が難しいためダニが生息しやすいスポットです。
このほか、本棚など紙が多い場所や押し入れ、クローゼットなども要注意です。
ちらかっていて部屋が汚い……という場合、掃除や喚起の頻度が少なく、ハウスダストがたまりやすくなっているため、ダニがどんどん繁殖していきます。
ダニアレルギーの治療方法
ダニアレルギーの治療の際は、まずは現在発症しているアレルギー症状がダニに由来するかどうかを医療機関で調べます。
というのも、他のアレルゲンが原因となっている可能性もあり、正しい治療法や予防法を実行するためにも事前に特定することが大切だからです。
ダニアレルギーの主な治療方法は以下の通りです。
すでに出ているアレルギー性の鼻炎や皮膚炎の症状を抑えるために薬物治療を行う方法と、アレルギー体質そのものを根本から改善することを目指す方法です。
薬物療法
ダニアレルギーによるアレルギー性鼻炎の症状に対しては、抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬や鼻噴射用ステロイド薬、点眼薬などを処方いたします。
また、ハウスダストによるかゆみや炎症などの皮膚症状には、抗炎症作用のあるステロイド外用薬やプロトピック軟膏などが効果的です。
これらはいずれも保険適用です。
舌下免疫療法
アレルギー体質を根本から改善し、ダニによるアレルギー症状を発症しないようにする「舌下免疫療法」。こちらも保険適用の治療方法です。
舌の下にミティキュアやアシテアといった微量のアレルゲンを含む飲み薬を置き、飲み込むという治療法です。
1日1回、毎日服用し、治療期間は少なくとも2年以上、3~5年ほど長期にわたって行う必要があります。
治療を開始する前に血液検査によるアレルギー検査を行います。
アレルギーレベルは0~6までの7段階でクラス分けされていて、クラス2以上であれば適応となります。
舌下免疫療法はごくまれに副作用を引き起こすことがありますので、医師の監督下で継続する必要があります。
舌下免疫療法はオンライン診療がおすすめです
オンライン診療による治療継続について
「舌下免疫療法」は長期にわたって薬剤を服用する治療法です。定期的に通院し治療薬の処方が必要になりますが、仕事や学校などで通院の時間を確保できず、治療を中断してしまうケースも少なくありませんでした。
コロナ禍以降、保険診療をオンラインで行うことが認められ、薬局からご自宅などにお薬を送料無料でお届けすることもできるので治療継続のハードルを下げられます。すでに舌下免疫療法を始められている方も、当院のオンライン診療で継続して薬を処方することができます。
- 下記のいずれかのボタンからお申込みください。
新規導入について
舌下免疫療法はアレルゲンを体内に入れるため、初回はアナフィラキシーショックが出ないことを確認するために、院内での投与が必要です。(30分滞在)
ダニアレルギーを予防するには?
ダニアレルギーの第一の予防法としては、できるだけ室内環境を清潔にしてダニとの接触を減らすことが効果的です。
寝具は定期的に洗って天日干しなどでよく乾燥させましょう。
布団用掃除機や布団乾燥機を使ったり、寝具のクリーニングを行っているプロのサービスを利用したりするのもおすすめです。
また、掃除機もこまめにかけましょう。
- ダニアレルギーはアレルギー性の鼻炎や皮膚炎、気管支喘息などの症状が出る
- ダニは温度・湿度が高い環境を好む
- 寝具やソファ、カーペット、ハウスダストのたまりやすい場所に多く生息
- アレルギー症状が出ているとき、ダニが原因なのか特定することが必要
- ダニの治療法は薬物治療もしくは舌下免疫療法が効果的
- 保険診療で治療できる
- 寝具や家の中をこまめに掃除して、ダニを除去する
- ダニアレルギーが疑われる場合は、気軽に医療機関へ相談を