最終更新日:2025年01月09日
目次
糖尿病とは
血糖値の高い状態が続くのが糖尿病
糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)の高い状態が続く病気です。
血糖値が下がらないのは、インスリン(糖の代謝をコントロールし、血糖値を一定に保つホルモン)の量不足や作用低下があるためです。血糖値の高い状態が続くと血管が傷つき、網膜や腎臓、神経に障害が生じたり、動脈硬化が進んで命に関わる病気(心筋梗塞や脳卒中など)を発症したりすることもあります。
「血糖値スパイク」にも要注意
食事を摂ると食品中のブドウ糖が体内に吸収されるため、食後は一時的に血糖値が高くなります。健康な人の場合、血糖値が上がればインスリンが速やかに分泌されるため、2時間もすれば血糖値は正常範囲内に戻ります。
しかし、インスリンの量不足や作用低下があると、食後に血糖値が急上昇します。この血糖値の急上昇をおさえるために遅れてインスリンが大量に分泌されると、今度は血糖値が急降下することになります。このような食後の血糖値の急上昇・急降下を「血糖値スパイク」と呼びます。
血糖値スパイクで血糖値が上がるのは食後だけなので、普段の血糖値はそれほど高くありません。しかし、血糖値の乱高下は血管に大きなダメージを与えるため、動脈硬化の進行をまねきやすくなります。動脈硬化が進むと心筋梗塞や脳卒中などによる突然死を引き起こすこともあるため、空腹時血糖値が正常でも注意が必要です。
お腹が空くのは糖尿病の症状なのか
糖尿病になっても、初期にはほとんど自覚症状がありません。ただ、空腹感は血糖値と関係が深いため、血糖値の変化が原因で空腹を感じることもあります。
糖の尿中への排出で空腹を感じることがある
血糖値が高くなると、過剰な糖が尿中に排出されます。尿中に糖が排出されると多くのエネルギーが失われることになるため、結果として強い空腹感を感じることがあります。
この症状は、頻尿で尿糖が多い人に生じることがあります。しかし、尿中に糖が出てくるのは糖尿病がかなり進行してからです。また、空腹感の感じ方は個人差があるため、「すぐお腹が空く=糖尿病」ということには必ずしもなりません。
血糖値スパイクで空腹を感じることも……
血糖値スパイクがある場合、つまり、食後に血糖値の急上昇・急降下がある場合は、血糖値の急降下にともない強い空腹感が生じることもあります。ただ、血糖値スパイクは通常の健康診断ではなかなか見つけられません。
しかし、食後の血糖値の急激な上昇の背後にはインスリンの量不足や作用低下が隠れているおそれがあるため、放置は禁物です。
特に「食べたあとすぐにお腹が空く」という症状が何度もある場合や、空腹感とあわせて冷や汗、吐き気、頭痛、倦怠感などがある場合は要注意です。このような場合は血糖値のコントロールがうまくいっていない可能性があるため、医療機関の受診をおすすめします。
血糖値スパイクにともなう空腹をやわらげる方法
食事をしてもすぐにお腹が空く場合は、食事や運動に関する習慣を見直して血糖値の急上昇をおさえるようにしましょう。
以下にポイントをまとめます。
- 規則正しく食事を摂る
→食事の間隔があくと、食後に血糖値が上がりやすくなります。 - ゆっくり食べる
→時間をかけて食べると満腹感が増すため、食べ過ぎによる血糖値の急上昇を防げます。 - 炭水化物を摂り過ぎない
→炭水化物の量が多くなると、血糖値が高くなります。 - サラダや汁物、主菜を先に食べ、主食(ご飯などの炭水化物)は最後にする
→主食(ご飯などの炭水化物)を最後に食べると、血糖値の上昇が緩やかになります。 - 間食を控える
→甘いもの・糖質量の多いもの(せんべいなど)を摂ると血糖値が急上昇します。 - 水分は無糖の飲み物で補う
→甘い飲料を摂ると短時間で大量の糖質を摂ることになるため、血糖値の急上昇につながります。 - 食後に軽い運動をする
→血糖値が上がるタイミング(食後30分~1時間くらい)で運動をするとブドウ糖が消費されるため、血糖値の上昇がおだやかになります。
「喉の渇き・舌の渇き」も糖尿病の症状の一つ
糖尿病で喉や舌の渇きを感じる理由
喉の渇きや舌の渇きなどの「口渇」も、糖尿病の症状の一つです。糖尿病で口渇が生じるのは、血糖値の高い状態が続くことが原因と考えられています。高血糖が続くと、腎臓の働きで血液中から余分なブドウ糖が取り除かれ、大量の水分と一緒に尿として排出されます。このようにして尿の量・回数が増えると体内の水分量が減るため、喉や舌の渇きを感じやすくなり、繰り返し水分を求めるようになるのです。
どのくらい喉が渇くのか
糖尿病にともなう口渇の程度には個人差がありますが
「どれだけ水を飲んでも、すぐに喉が渇いてしまう」
「口や舌がいつも渇いている感覚がある」
などという声も聞きます。糖尿病にともなう「喉の渇き」「舌の渇き」は、普通とは明らかに違う「渇き」といえるでしょう。
喉や舌が渇くときの注意点
喉や舌の渇きは、糖尿病以外の病気でもあらわれることがあります。また、加齢やストレスで唾液の分泌量が減り、渇きを感じることもあります。そのため、喉や舌の渇きがあっても糖尿病とは限りません。ただ、後述の「糖尿病であらわれやすいその他の症状」に該当する症状が複数ある場合は、糖尿病である可能性が否定できないため、早めに医療機関を受診するべきでしょう。
糖尿病で喉や舌が渇くときの水分補給
糖尿病で喉や舌が渇くときは、糖分の入っていない水や茶類などでこまめに水分補給をしましょう。ただし、ジュースなど甘い飲み物を摂取すると血糖値が高くなるため、かえって喉が渇きやすくなります。人工甘味料を含む飲み物も、摂り過ぎると腸内細菌のバランスが崩れて耐糖能(血糖値の上昇をおさえる働き)や免疫力を低下させるおそれがあるため、おすすめできません。
したがって、喉や舌が渇いても甘いものは避け、無糖の飲み物で渇きをいやすようにしましょう。
糖尿病であらわれやすい症状
糖尿病は自覚症状の乏しい病気ですが、空腹感や喉・舌の渇きのほか以下のような症状があらわれることがあります。
- 水を頻繁に飲む
- 尿の量が多い
- 尿の回数が増える
- 急に体重が減る
- 疲れやすい
- 肌が乾燥してかゆくなる
- 傷が治りにくい
- 手足がしびれる
- 足がつる
- 目がかすむ
- 物が二重に見える
- 感染症にかかりやすい
- 性機能障害がある(男性)
など
これらの症状がみられる場合は糖尿病が進行しているおそれがあるため、速やかに医療機関を受診してください。
空腹感や喉・舌の渇きなどがある方のオンライン診療
糖尿病は初期症状がほとんどなく、口渇や飲水量の増加などを自覚する頃にはかなり症状が進行していることも少なくありません。一方で、口の渇きや空腹感などは健康な人でも感じることがあるため、自覚症状だけで糖尿病かどうかを判断することはできません。とはいえ、糖尿病は放置すると心筋梗塞や脳卒中などの致死的な病気をまねくこともあります。気になる症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診して医師の診断を受けるようにしましょう。
その点、オンライン診療なら気になる症状があったときにすぐ受診できます。通信環境さえ整っていればどこからでも受診できるため、自宅はもちろん、外出先からでも医師の診察を受けられます。当院では、糖尿病の方はもちろん、糖尿病に至る前段階の方の診療にも対応しております。
「ご飯を食べても、すぐにお腹が空いてしまう」
「水分をどれだけ摂っても、喉の渇きが全然解消しない」
などのお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。当院では糖尿病治療にともなう低血糖のご相談も受け付けておりますので、低血糖に不安がある方はぜひご利用ください。
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糖尿病の処方薬一覧
分類 | 商品名 | 一般名 |
---|---|---|
スルホニル 尿素薬 |
オイグルコン | グリベンクラミド |
グリミクロン | グリクラジド | |
アマリール | グリメピリド | |
速効型インスリン 分泌促進薬 |
ファスティック スターシス |
ナテグリニド |
グルファスト | ミチグリニド | |
シュアポスト | レパグリニド | |
DPP-4阻害薬 | ジャヌビア グラクティブ |
シタグリプチン |
エクア | ビルダグリプチン | |
ネシーナ | アログリプチン | |
トラゼンタ | リナグリプチン | |
テネリア | テネリグリプチン | |
スイニー | アナグリプチン | |
オングリザ | サキサグリプチン | |
ザファテック | トレラグリプチン | |
マリゼブ | オマリグリプチン | |
GLP-1受容体 作動薬 |
リベルサス | セマグルチド |
ビグアナイド薬 | グリコラン | メトホルミン |
ジベトス | ブホルミン | |
メトグルコ | メトホルミン | |
チアゾリジン薬 | アクトス | ピオグリタゾン |
αグルコシダーゼ 阻害薬 |
ベイスン | ボグリボース |
セイブル | ミグリトール | |
SGLT2阻害薬 | スーグラ | イプラグリフロジン |
フォシーガ | タパグリフロジン | |
ルセフィ | ルセオグリフロジン | |
デベルザ | トホグリフロジン | |
カナグル | カナグリフロジン | |
ジャディアンス | エンパグリフロジン | |
ミトコンドリア 機能改善薬 |
ツイミーグ | イメグリミン |